始まりは・・

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キスをねだり、仕事に行ってほしくないとだだをこね、お風呂は毎日一緒に入らないと拗ね、頭を撫でられるのが好きで。 一見クールな彼女が見せる、そんな子供っぽさに惹かれどんどんはまっていった。 「ずっとそばにいてね。」 彼女の口癖だった。 「裏切ったのは、皮肉にも彼女か……。」 まだ強がっていられる余裕があるようだ。 おかげで、いつもより若干早く帰って来た舞に、笑顔を見せる事が出来た。 が、すぐにそんな仮面はゆらいだ。 「お腹すいてない?何か作れるよ?」 「いい、もう寝る。」 素っ気ない言葉だった。 ますます…彼女に触れなくなっていた。 他の男に触られたからではない、拒絶されるのが怖かったからだ。 酷いときは、ビンタが飛んでくる時もある。 それでも待とう。 私は…問いただす勇気もなく、ひたすら待った。

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