私の知らない彼

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愛「えっと……何でしょうか?私ができることでしたら何でもしますが……」 それが彼の為になるのなら私は何でもしたいと思った。 橋本「それは助かる。ん……今日の藤沢の練習は午後からの予定でな。他の部員は午後からは試合観戦に行く予定だから練習施設に他の部員はいない。だから……君は今日はうちの藤沢の専属マネージャーを頼まれてくれないか?」 愛「えっ……マネージャー?」 橋本「あぁ……私ひとりじゃいろいろ大変な部分もあってな。ん……頼めるかな?」 っていうか、そんな……私がマネージャーなんてしていいの? っていうより、そんなの……できるのかなぁ……。 愛「でも……私……お役に立てるでしょうか?」 すると監督さんはフッと笑い。 橋本「心配いらない。マネージャーと言っても私の言うとおりにしてくれればいいから……。ま、こんなことは滅多にない。君も成長した藤沢を見てやってくれ…。…いいところを見せられるかどうかは分からないがな……」 !? 少し調子を崩しているだろう彼のピッチング…… そんな姿を見てもいいのかと迷う私だけれど…… でも、彼の練習姿を間近で見られる…っ… いつ以来だっけ?間近で見るのは確か中学二年の時以来じゃ…… 愛「…わかりました……」 調子が悪いとはいえ、彼のその野球をしている姿を間近で見られることに私はドキドキしていた。 そしてそんな私とは反対に、この時、力は違う意味で心臓をバクバクと鳴らしているのだった―――
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