408人が本棚に入れています
本棚に追加
監督に言われるがまま、食事を済ませた俺は自分の部屋へと戻ろうとしていた。
亮「あれ……力?」
エレベーターのドアが開くとそこには練習着姿の亮が立っていた。
亮「何処行ってたんだ?さっき部屋ノックしたけど声しねーからくたばってんのかと心配したじゃねーかっ」
亮が手をグーにして俺の胸あたりを殴るフリをする。
力「あぁ…ちょっとメシ食ってきてな……」
亮「…えっ?ケド、腹の具合はどうなんだよ?あ……監督に薬でも貰って即行効いたとか?ってか、それも単純過ぎじゃねー?」
力「違ぇーよ……」
亮「えっ…違うのか?そうかー…
…あっ……そうそう!あの後さ、おまえの部屋から帰る途中、おまえの部屋に向かう監督に会ったんだよ。監督には調子悪いこと言ったのか?」
約一時間ほど前、俺の部屋に監督がきた。
そして、いきなり入ってきて水月がいるんじゃないかと言われ…。
力「あぁ、監督……来たよ。ん…
…そうだな…。あんま……体調はよくねーかもな……」
さっき食事に行ってきたものの、監督に連れられていった水月のことを思うと俺は食欲もなく心なし気分が悪い。
亮「つーか、試合明後日だろ?ヤバくね?おまえ……確か先発だろっ?そーいや、キャプテンもなんか心配してたぞ?おまえが腹の調子悪いって言ったら、昨夜、なんかうめき声みたいなのが聞こえてたから…とかなんとか言っててさ。そんなに腹痛かったのか?」
!
つーか、その昨夜のうめき声…
俺の声じゃねぇ…
あれは『最中』必死で声を殺してる水月の声だっての。
やっぱり…聞こえてたんだな…。
ってか、壁が薄いのか彼女の声が響くのか分かんねーけど、考えてみたらかなり危険なことを俺達はしていたんだな……。
最初のコメントを投稿しよう!