407人が本棚に入れています
本棚に追加
/1233ページ
ただ願うのはあなたと同じ風を感じること。
それは離れていても感じることのできる風。
あなたへ向かう私をその風が抱きしめようとしていた―――
高校二年……夏―――
インターハイへの切符を争う最終戦……400m決勝。
目の前には赤々としたタータンのトラック。
そしてその空には澄み切ったスカイブルーの空。
愛「…やっとここまで来た……あと少し…」
私はその手を握りしめ、観客席のスタンドを見つめる。
いるはずのない彼のその姿を探して―――
最初のコメントを投稿しよう!