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力「……そう…だけど……」
見知らぬ携帯番号だが、こんな時に電話してくるのは今の俺の現状を知っているヤツしかいない。
けど、どっかで聞いたことある声なんだけど……
『……よぅ!俺だよ、俺…っ…』
力「…えっ……ん……っ……?
……河合?」
電話の主は水月の同じ部の先輩の河合……だった。
つーか、この前もコイツ、メールをよこしてきていたけど、今度は電話かよっ!?
ったく、誰が俺の番号勝手に教えてんだ?
翔『……愛梨……そっちいるんだろ?』
力「…あぁ……けど、今はいねーけど…?」
翔『え?まさか……帰った…?』
力「いや……そういうワケじゃねーんだけど……ちょっと今ここには……」
翔『はぁ?……ん……まぁ、そっちにいるこたー間違いないんだな?』
力「とりあえず……な……」
翔『……(…だってさ……ったく、いつまでもビービー泣いてんじゃねーよっ!)(…うぇっ…ヒック……)』
河合は電話口向こうで泣いているだろう誰かを宥めているようだ。
力「ん?…誰か傍にいんのか?」
翔『あっ、悪りーな……沙希……あぁ、おまえ知ってんだろ?愛梨の後輩の……』
沙希は中学の頃、水月の跳躍に憧れて陸上部に入部してきたヤツでかなり彼女を慕っていた。
そして高校も彼女を追いかけていったのだが……。
翔『コイツ……愛梨が消えたって俺の部屋に来てさ…あー…もう大変だったんだぞ…っ……(藤沢先輩のばかぁ……いくら水月先輩が好きだからって……こんなの……ヒック…)…あぁ…よせっ……もういいだろっ……』
沙希がスゲー水月のことを心配していたのが判った俺は、とんでもないことをしでかしたのだと改めて感じた。
力「…悪りぃ……沙希に代わってくんね?」
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