帰還

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河合『……まぁ、そういうことだ。とにかくコイツ……沙希が泣いて手がつけられなかったからさっ……(ガチャガチャ)……(…先輩だって凄く心配してたじゃないですかー…ぁ……いたっ……)…あぁ?…うっせーよっ!向こう行ってろっ!』 受話器の向こうが騒がしい――― けど、二人が水月のことをかなり心配していたのはよく分かった。 力「悪かったな……河合……。とにかくあいつは今日中にはそっちに戻すから……」 河合『…ったく……愛梨がいねーと俺も困るんだよっ…。何せこの小姑の相手を俺がしねーといけねーんだからよっ。どうしてくれんだよっ!』 力「小姑?」 河合『…あぁ…沙希のことだよ。』 沙希のヤツ……河合に小姑とか言われてんのかよ? なんでまた…そんな…… 力「…ん……沙希はいいヤツだと俺は思うけど?素直でかわいいだろ?」 河合『じゃぁ…、おまえ……付き合うか?』 !! 冗談っ! っていうか、もし水月が俺の女じゃなくて今フリーでも俺は沙希のような女はパスだ。 なにせどことなくあの西野を思わせる雰囲気がある。 力「俺は間に合ってるよ。それよりアンタが相手してやればちょうどいいんじゃね?女いねーんだろ?」 河合『はぁ!?それ聞き捨てなんねー台詞だなっ。あのなー、俺は女がいねーんじゃねーんだよっ!いつ、愛梨がおまえに愛想を尽かすか…タイミング見計らってんだよっ』 …な…っ…なんだと!!? やっぱりコイツ…… 油断できねーヤツかぁ?! 力「残念だけど、そんなタイミング見計らってたら人生終わってんじゃねーの?いい加減あいつのコトは諦めて他当たれば?」 ホントにいい加減にして欲しい。 俺と水月が別れるなんてそんなこたー1%もねーってんだよっ! その直後、さっきよりも少しトーンの下がった河合の声が聞こえてきた。 河合『……そんなのわかんねーだろっ…人生なんてものは何が起こるか……。まぁ、俺は俺で好きにやらせてもらうから……。せいぜい俺に取られねーように気をつけることだなっ……じゃぁな……』 !
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