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ずっと暗闇の中で自分の体内に包まれていた。元々逃げ場所でしかなかったのに、いつしかここはどこよりもずっとずっと安心出来る場所になっていた。光なんていらなかった。 必要以上はここから出なかった。そんな部屋に射し込んだ光。 現れた男はあたしに「幸せだったか」と訊ねた。幸せ?それを感じられる心はとうになくした。 どうして入ってくるの。あたしの闇を引き裂かないで。 「寂し――の―闇――げる」 男性は何か言って手を伸ばしてきた。今までは暗闇の中で自分の手を耳に当て目を閉じていれば、それだけで耳障りな矯正も聞こえなくなったし、蔑んだ視線も浴びなくて済んだ。 それなのに今は扉から射し込んだ光と本来いるべきではない人間と声のせいでシャットアウトが効かない。仕方なくあたしは手を下ろす。
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