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茂もそれを察したらしい。天音の肩に優しく手を置いた。
「――大丈夫か。
やっぱまだ早かったんじゃねぇか? 辛いなら、戻って休んでろ」
肩に乗った茂の手に、天音が手を重ねてゆっくりと首を横に振る。
「大丈夫。大丈夫だよ。
私がしげ君に着いて来る、て言ったんだもん」
天音が茂を見つめ返すと、影を残しながらも優しく微笑む。
「心配してくれて、ありがとう」
「当然だろ。ま、大丈夫ならいいけどよ。
でも、無理はすんな」
うん、と僅かに頷きながら天音の視線が僕に向けられると、ゆっくりと弱々しく言葉が紡がれた。
「久しぶり、だね」
ああ、本当に。
元気だったか?
「はじめ君は、元気だった?」
どうだろうな。
「私は……あんまり」
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