おばちゃんのパン

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蒸し暑い夏の夕暮れ テレビも エアコンもない部屋 窓を開け放ち 道行く人達を眺めながら 髪を乾かしていた 『ちょっと…お嬢ちゃん』 自分が呼ばれてるとは 思わなかったけど 今日は 朝から 誰とも話してない 寂しかったのかもね 自分じゃないと わかっていながら 声の主を横目で探る 『あんただよ お嬢ちゃん』 顔が ぱぁっと 明るくなっっていく様が 自分でも わかった
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