おばちゃんのパン

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パン屋のおばちゃんは このおんぼろアパートの 大屋さん あの店から この部屋に入るのは たいてい訳ありの娘 どうせ給料日まで 金ないんだろ? 食べなよ 売れ残りだからさ 遠慮すんな ほら 早く降りてきな 袋いっぱいのパン 涙が出そうになったの だってさ こんな自分でも まだ 気にかけてくれる人がいた 無意識に 押しころしてきた心細さが 渇いた心から ゆっくり 流れ出し始めた
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