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校舎の向こう側からは運動部の元気な声が聞こえてくる
この学園には様々な可能性が詰め込まれている
この中からプロスポーツ選手が出ることもあるだろう
ふと、素子の脳裏に心理研究部のことがよぎった
きっと扇風機でも回しながらゲームをしているのだろう
やりたい事があってここに来る人は多い
そんな人達を見ると素子は自分の居場所がないような気がしてたまらなかった
素子が神之矢学園を選んだ理由はただ一つ
『ここなら居場所が見つかるかもしれない』
しかしそれは甘い考えでしかなかった
入学したての素子はどうしていいか分からないまま、日々を過ごすだけだった
そんな素子を勧誘してきたのが大山だった
一年生という身ながら、部活を設立しようというおかしな奴らがいるという話は聞いていた
それがまさか自分のとこに来るとは夢にも思っていなかった
「そこのつまらなそうな顔のお嬢さん!どう?心理研究部に入らない?」
唐突に話し掛けてくる大山に対し、素子は無視という行動を選択した
「別に何かするって部活じゃないよ?ただただ楽しい学園生活を送ろうっていうね…」
「心理研究部とか言ったな?じゃあ私が今、何を考えてるか当ててみろ」
「皆、楽しそうだなーって」
大山は即答だった
「……違う。目の前のうざいのを追い払うにはどうすればいいかだ」
素子はそう言うと立ち上がってその場を去っていった
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