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それから数ヶ月後 「通り雨だからよかったよねぇ~」 「大体傘なんかじゃなくビニールシートでも持ってけよ」 「仕方ないでしょ…急だったんだから」 「で、部室から急いで素子さんの所へ傘を持って走っていったわけだ」 「うるせー」 「しかし…いい絵だな」 心理研究部員達は屋上から、絵を眺めていた 「あの才能は生かすべきだな」 「その子、将来は神之矢に入るって言ってたみたいよ」 「今のままでもウチの美術部といい勝負になるわな」 四人は皆、同じ体勢で見下ろしている 屋上のドアが開く音がし、一斉に振り替えった 素子が変な物を見る目で立っている 「なんだお前ら…同じ動きで…それより部長、そろそろ出番だぞ」 「あいよっ」 「それより正気か?生徒会に入るだなんて…」 「冗談で演説するほど暇じゃないって」 大山はひらひらと手を振りながら屋上を後にした 「おい黒木ぃ、アイツが立候補した理由知ってるか?」 「少しでも学園の内情を知っておきたいからじゃないのか?」 「鋭いねぇ~」 「でもさ、それ意外にもあるって知ってた?」 「さぁな。部長の考えは分からん」 「権力を使ってアレをずっと残したいんだとよ」 上田が下を指差す 「…ホント、分からないな」 素子は笑っていた
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