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それからまた数ヶ月の月日が経った
素子がいつものように帰り道を歩いていると、公園の方から子供たちの声が聞こえてきた
素子はなんとなく、公園の方へと足を運んだ
普段なら気にすることもないことだが、気付いたら足を止め、観戦していた
サッカーをして遊んでいる少年たちの中に、見慣れた人影があった
その少年も素子の存在に気付く
しかし、素子は手で軽く挨拶だけしてその場を去った
それは手話なんかではなく、本当にただ手を上げるだけのものだった
少年は素子が見えなくなるまで頭を下げ続けた
素子もムサシも変わった
互いの出会いが無ければどうなっていたかは分からない
「友達と仲良くな」
「ありがとう」
それが二人が交わした最後の【会話】だった
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