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「オイ」
噂に関しては入学した直後だというのに、翌日には既に新入生にも広まっていた。
クラスメートの会話から、当然あたしも知ることになる。
キョウ先輩とモモ先輩。
その名前を聞かない日なんてこの2週間なかった。
学校一の有名人。
だから、避けてきた。
あっちはもうあたしの事なんて覚えてないかもしれないけど、極力関わりたくない。
あれ以来、桜の木にも近付いていなかった。
「シカトか」
モモ先輩の言葉が気になったのもあるけど、噂によるとどうやら彼らはそこにいる率が高いらしいから。
「いい度胸してんな」
ていうか、さっきから騒がしいんだけど。
やたらと視線を感じる。
前方を歩いていた生徒までもが振り返り、驚いた表情で固まっていた。
「エン」
…この声は。
もの凄く、嫌な予感がしながらも振り返ってみる。
「目逸らしてんじゃねぇよ」
金。
キョウ先輩。
その後ろにはモモ先輩。
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