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モモって猫かと思ったら。 反対側で、更に寝てたとはいえ人がいたなんて全く気が付かなかった。 そんなあたしがいる前で。 「寝てただろ」 「寝てねぇよ。目ぇ瞑ってただけだ」 「へぇ?じゃあなんで避けねぇんだよ」 「…あ?」 「今の、避けれただろ?」 どーうでもいいーーー。 なに、この小学生レベルの口喧嘩。 「そんなの敢えてに決まってんだろ」 「あ?敢えてってなんだよ」 「なんだってなんだよ」 「なんだってなんだよってなん………もうどっちでもいい」 そう、どっちでもいい。 どうやら金髪のほうが少し大人だったらしい。 それ以上争うのを止め、ポリポリと頭を掻きながら来た道へと体を向き直した。 「行くぞ」 「…めんどくせぇな」 その背後から、文句を言いながらも渋々立ち上がるもう1人の男。 細身の体。 緩くパーマのかかった淡い茶色の髪。 白めの肌。 驚くほど綺麗に整った、中性的な顔立ち。 その女の子のように丸い瞳と、あたしの視線がぶつかった。
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