151人が本棚に入れています
本棚に追加
モモって猫かと思ったら。
反対側で、更に寝てたとはいえ人がいたなんて全く気が付かなかった。
そんなあたしがいる前で。
「寝てただろ」
「寝てねぇよ。目ぇ瞑ってただけだ」
「へぇ?じゃあなんで避けねぇんだよ」
「…あ?」
「今の、避けれただろ?」
どーうでもいいーーー。
なに、この小学生レベルの口喧嘩。
「そんなの敢えてに決まってんだろ」
「あ?敢えてってなんだよ」
「なんだってなんだよ」
「なんだってなんだよってなん………もうどっちでもいい」
そう、どっちでもいい。
どうやら金髪のほうが少し大人だったらしい。
それ以上争うのを止め、ポリポリと頭を掻きながら来た道へと体を向き直した。
「行くぞ」
「…めんどくせぇな」
その背後から、文句を言いながらも渋々立ち上がるもう1人の男。
細身の体。
緩くパーマのかかった淡い茶色の髪。
白めの肌。
驚くほど綺麗に整った、中性的な顔立ち。
その女の子のように丸い瞳と、あたしの視線がぶつかった。
最初のコメントを投稿しよう!