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ローウィンが訪れた部屋にいたのは、いかにも俗悪そうな男だった。
「ローウィン大佐。私は実に残念だ。アッシビアは愚かな国だと思わんかね?ん?」
「……。」
ローウィンはこの男が好かなかった。
権力の乱用。
何かしら都合が悪ければ部下に押し付ける。
マイケル・ガルカディア少将
…最低な男だ。
「アッシビアの宣戦により、ミーシリアのいたる所で混乱が起きてます。この西ミーシリアも…。」
「ふん…部下どもに任せておけ。」
ああ、本当にこいつは…。
いや、こいつらは…。
「失礼します。」
ローウィンは一礼し部屋を後にした。
廊下に1人の女性が立っていた。
ローウィンの副官、ナナタ・カリーヌ大尉だ。
「どうします?」
「私が指揮をとる。別に…あの方も構わないだろう。」
ローウィンが部屋を睨みつけた。
「ああ、始まるぞ、大尉。恐ろしい戦いが。」
「でしょうね…。それでも私たちは逃げられませんよ。」
カリーヌにそう言われローウィンは苦笑いする。
「そうだな。」
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