prologue

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西暦2405年 「テール。」 若い青年と少女がそこにはいた。 テールは少女の名前だ。僅かに菫色がかった長い銀髪にルビーのような赤い瞳を持つ、人形のような美貌の少女。 「デナメイス。また勝手に歩き回って…。かなり言い聞かせたはずだが。」 デナメイスはこの研究機関の実験体だった。 金色の髪にエメラルドの瞳。かなりの長身。 こちらもかなりの美形だった。 2人の存在はこの研究機関の最重要機密だった。 「悪いな。どうしても会いたかった。寂しかったんだ。」 デナメイスがテールを抱き寄せる。 華奢な体は容易く大きな体に包まれた。 「私にはわからない。あなたの言う寂しいとか…愛しいとか…。」 外を知らない、感情を知らないテール。 外を知りすぎた、感情を知りすぎたデナメイス。 この2人は惹かれるのも容易く、また…悲劇を起こすのも容易かった。 「拒絶反応だと!?そんな…今までうまくいっていたのに!」 「やはり、無理なのか?」 デナメイスのウルディオ適性実験の時にその事件は起きた。
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