第一章・戦火の中の兵士たち

2/15
前へ
/133ページ
次へ
そして、 時は西暦2509年…… 「我々人類は今、心がひとつになれずにいる。我ら人類の願いは皆ひとつ!このアッシビア帝国がすべての国を支配し、人類をひとつの絶対王政の国としてまとめること!」 アッシビア帝国すべての地域に流れる皇帝の演説。 おそらく、国民の大半は彼の声に酔いしれているだろう。 だが、青年は違った。 「はっ…そんなの願ってんのは腐った奴らだけだよ。」 確かに、あの皇帝が言うように世界は未だに2つの勢力が対立している。 ひとつはこの国、アッシビア帝国。 絶対王政を掲げ、王が権力を乱用し政治を成す国。 そして、もうひとつはミーシリア国。 民主主義を唱え、大統領を中心に政治を組み立てる国。 やり方に良いも悪いもない。 この二つの国が戦争を止めないおかげで、沢山の人が死んでいる。 一秒という単位で、子供も大人も関係なく、戦争に巻き込まれ殺される。そんな現状だった。 「ジェノフォン、お待たせ!乗れよ!」 一台の車が青年の前に止まった。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加