第一章・戦火の中の兵士たち

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さっきまで演説に毒を吐いていた青年・ジェノフォン・フリーグルは金色の髪を風に舞わせながら、車へと身を翻す。 車に乗っていたのも青年だった。 「いきなりの呼び出しだな。ヨーギ。」 「この演説を聞いているだろ?」 運転席で呆れたようにラジオを指す青年・ヨーギ・ヨンティーはジェノフォンと同業の仲間だった。 皇帝の演説はまるで終わることを知らないかのように続いている。 「理想論だ。しかも他者の意見を無視した、な…。」 ジェノフォンが眉間に皺を寄せた。 「ああ…。最悪だな。おっと、やっと大事な部分になったっぽいよ。」 皇帝の演説は最高潮を迎えていた。 『私は宣言する!栄光を手にするためならば、幾多の血を流そうとも、命を散らしたとしても、戦い続けることを宣言する!』 ジェノフォンもヨーギも顔をしかめた。 『戦え!我らは戦慄を知らぬ兵士!戦うのだ!!』 「ああ、戦うさ…。あんたらを潰すために。」 高台に立つひとりの男はタバコを吸いながら携帯電話のモニターを睨みつけた。
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