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自分が社交的とは思えないし、多少口下手なのも自覚している 何より昔から他人にどう思われているのか、異常に気になった 今はさほどでもないが、少しでも自分と関わる人物ならやっぱり良く思われたい 劣等生よりは優等生のほうがいい 葵はそんな事を考えていた、授業なんて聞いてるふりでほとんど上の空だ 勉強なんて独学でいくらでもどうにでもなる、少なくとも中学まではそうだった、だから塾にだって通ったことはない いつもこんな感じで授業が過ぎていった そして2時間目は例の理科の授業だった 昨日の事を思い出すと、また全身が痛みだす 『はぁ…出来れば近付きたくないなぁ………』 最後に教室を出て、バラバラと人の並に乗る 別棟への階段をうつ向きながら登っていると背後から声がかかった 「仮は返せよ」 最初は無反応だったが、その場に自分しかいないことを思い出し、慌てて足を止めると振り返った 当然のように誰もいない 「空耳?」 葵は首を傾げしばらく考えたが、時間があまり無いことを思い出して、足早にその場を去った 理科室にはいると、黒板前の机には既に綺麗にビーカーの入ったトレーが並べられていた しかもちゃんと人数分ある 訳が分からなくて首を傾げる 「まぁ……いいか」 席につくとちょうどチャイムが鳴り先生が入ってきた 「おぉ椎名、やるば出来るじゃないか」 「………はぁ」 本当は何もやってないんだけど、今は黙っておこう てゆか、先生のその発言は軽く失礼だと思う 授業は何も問題なく進んでいった
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