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自室に戻っても心臓の動悸が止まらなかった それほどまでに動揺していたのだ なんとか心臓を押さえつけて落ち着かせると、ベットの上に寝転んだ 草木に隠れるようにして行われていた行為を想像して、おもわず枕に顔をうずめる 噂では聞いたことがあった というか日常的に行われていると涼香に聞いたことがあるような…ないような…… 一番肝心な部分が思い出せない が、まぁどうでもいい 行われているという事実はすでに目にしてしまった 「荒れてるなぁ……」 あの真面目が具現化したような親が知ったら卒倒するだろう 転校もありえるかもしれない だが、今時どこに行っても私立でそれなりのところにでも行かない限りこんな感じのような気がしてならない 「どうでもいいや」 自分には関係無い 関わらなければいい 葵はそう自分に言い聞かせると、制服を脱ぎ始めた 白い肢体が顕わになる そのいたるところに新旧大きさ問わず傷が刻まれていた 理由も様々だ 部屋着に着替えるとタイミングよく母に呼ばれた、夕食が出来たらしい リビングに入るとすでに母は食べ始めていた 「テストはいつからなの?」 席に座るなり、開口一番母が聞いてきた 「忘れた」 正確には覚えてないといったほうが正しいが、それを言うと母が起るのは明白なので言わない 一回覚えたか覚えてないかの差は大きい 「なんで忘れるのよ、あとで確認しておきなさい」 「はい……」 予定表を見つけることから始めないとなぁと頭の片隅でぼんやりと考える めんどくさい―― それっきり途切れた会話をめんどくさく思い、手早く食事をすませると、自室に戻った
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