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歳は30半ばくらいだが、外見は年齢不詳だ
薄化粧だが、それでも十分美人な外見は教師をやっているのが勿体ないように思う
密かに男性教員の間でも人気があり、それはこの近藤も例外では無い
授業中に男子学生の視線を一身に浴びていると思うと、生徒に戻りたいという嫉妬心にかられるのだが、それは内緒だ
というか、この人は結婚しているのだろうか
「いやぁ、いつも助かってますよ」
「あんまり椎名さんに無理させないで下さいね、どうもあの子は押しに弱いみたいだから」
「はっはは、そうなんですか。気付かなかったな、以後気を付けます」
とまぁ、我ながら嘘くさいとは思う
だがそんなことに気付かないように山口は笑みを受けべると
「それじゃあ、私はこれで先に上がらせてもらいますね。お疲れ様です」
「あぁ、お疲れ」
職員室でそんな大人な会話が開かれているころ、葵はブツクサ文句を垂れていた
「はぁ…めんどくさいなぁもぉ……なんで毎回…毎回…毎回!!」
トボトボと放課後のほとんど人がいない校舎内を歩きながら、別棟にある理科準備室に向かった
元々最近の体調不良で休んで遅れていた提出物を片付けるために残っていた、やっと思いで片づけて帰れると思った矢先これだ
げんなりする
出てくるため息を我慢もせずに出しっぱなしにしながら階段を上る
夕方で薄暗く足もとが見えないため余計に足取りが重い
やっとのことで5階の理科準備室の前にたどり着くと、ドアに手をかけた
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