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背後には悠菜よりも15か20cmは背が高い制服の男が立っていた
顔は整っているほうなのだろうが、如何せん眉間に皺が寄りすぎて残念な感じだ
その顔がもう一度口を開いた
「聞こえないのか?邪魔だって言ってんだ」
その言葉にカチンときた
どうやら礼儀を知らないらしい、これだからお坊っちゃんは、と心でせせら笑う
「アンタ、初対面の女の子にそんな言い方ないでしょ」
「初日から道の真ん中で迷惑振り撒いてるよりマシだ」
カウンターを返され周りを見渡すと、心なしか避けられている気がする
思い出した、今の段階で途中入学の自分はただのお訪ね者だ
やってしまった、これでは余計に孤立してしまう
シャクに触るがおとなしく道を開けると、男はさも当たり前のように通って行った
「かっ感じ悪ぅ。何なのアイツ、何様のつもり?俺様?王様?」
自分で言って吹いてしまった
馬鹿だ………
こんな事をしている場合ではないと、さっさと校舎内に入った
中では係の腕章をつけた上級生がプラカードを持って案内をしていた
受付で自分のクラスを確認すると、上級生に連れだって教室に案内された
教室に入ると前から見て右側の後ろのほうに人だかりが出来ている
悠菜はちょうど真ん中辺りの自分の席につくと、そちらのほうを盗み見た
集まっている人の男女比は4:6くらい
微妙に開いた隙間からその中心を覗くと、悠菜はビックリした
「うっわ、よりにもよってアレと同じクラス………」
中心にはさっき悠菜に文句をつけてきた俺様がいた
少し困ったような顔をしているのがいい気味だ
「さすがあの顔だとモテルのか、しかし男も少なくないところをみると、性格も悪くはないと。…………ん?」
自分で言って違和感を感じた
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