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「ラウル・グレーデン…」
メイの口から自然に零れた自身の名を、聴いたか聴かずか。
真紅の鎧の若い騎士、ラウルは地を一蹴りして弾丸の如く飛び出す。
そして、飛び出すとほぼ同時に剣を一閃し砂竜を二匹纏めて真っ二つに。
更に、凄まじい速度で放たれたその斬撃は衝撃波を生み出し、狼達がラウルの動きに反応するよりも速く、彼等をズタズタに……さながら、ボロ雑巾の様に引き裂いてその命を掻き消した。
それは、たったの三回、剣を振るった結果であり、彼の強さを示すモノ。
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