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メイを乗せた馬が駆けるのは、街道すらない荒れ地。
サルディブ王国西部に広がるこの荒野は、古くから飢えた狼達と、砂の海を泳ぐ竜の狩場になっており、第一級危険地域に指定されている。
常ならば人も寄り付かない場所なのだか、この荒野で狼や砂竜の犠牲になる者は後を絶たない。
そのほとんどが、急ぎの荷を積んだ商隊や、禁制品の密輸に関わる売人達だ。
街道を沿えば安全なのだが……そうも行かない彼らは、今もまた、獣に牙を立てられている様で。
「やっぱり…魔物!」
赤毛の馬に揺られながら、メイは唸る様に呟く。
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