第一章

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その一閃は、ゲレーテが展開させた幾重もの魔法障壁を薄紙の如く引き裂き、斬撃が音速を超えた事により発生した衝撃波がゲレーテの痩身をボロキレの様に斬り裂いた。 更に、衝撃波が砂埃と粉塵の嵐を巻き起こすよりも速く、ラウルは剣を切り返す。 瞬間、ゲレーテの身体がブレる様に揺れ、ラウルの放った切り返しの剣は空を斬った。 ソレが吸血鬼特有の能力、空間を繋げる事による瞬間移動、“宙渡り”であるとラウルが気付いたと同時に、黒い血を全身から流しながらもゲレーテはラウルの背後へ。 「――チッ!!」
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