第一章

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ラウルは舌打ちを一つ、背後に“跳んだ”ゲレーテに斬撃を叩き込むべくその場で一回転。 先程放った、音速を超えた二振りの斬撃が巻き起こした砂埃と粉塵の嵐を斬り裂きながら、ラウルの剣はゲレーテの左腕を抉る様に肩から吹き飛ばす。 しかし、それと同時に引き裂く様な大口を開いたゲレーテがラウルへと迫り、 ――ガブリ。 と、鎧の襟元を噛み砕いて更に、その鋭く長い牙がラウルの首筋へ尽き刺さった。
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