第一章

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首筋に走る、燃える様な灼熱の痛みにラウルは顔をしかめながらも、反射的に、空いている左手で自身の首筋に咬みついたゲレーテの頭を殴りつける。 剣に宿る力により倍増された腕力が放つその拳は、常人の頭部位ならばいとも簡単に砕く程の威力を秘めている。 しかし、ゲレーテは吸血鬼であり、ましてや“十字界の王”を名乗る者。 身体能力、魔力、知力、そして身体の頑強さ、耐久力は人間とは一線を画している。 その為、グシャリ!!とナニカがひしゃげる様な音を立てつつもゲレーテの頭部が砕ける事は無かった。
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