第一章

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その視線の先には、成人男性の二回り以上の体躯を持つ狼達が行商人達を鋭い牙で引き裂いていた。 そして、行商人達の動かない体から流れ出した血の海を砂竜が泳ぐ。 そして、メイは一度だけ目を閉じた。 行商人達は既に狼と砂竜の“餌”となっていた。 彼らが密売人だった可能性は高く、既にその命の灯は消えている。 だから別段、メイが狼達の元へと馬を走らせる理由も無い。 (でも…それでも!)
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