第一章

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そして、身を捩るように伸ばした右手を横薙に、突っ込んできた砂竜を二枚下ろしにした所でメイは別の砂竜の吐いた砂の槍に吹き飛ばされ、荒れ地を転がった。 幸いにも、砂の槍は革の腹巻きを千切っただけでダメージはそれ程無い。 しかしメイが落馬した為にほんの一瞬、動きが止まった馬の喉元に狼がその顎で喰らいついた。 それを見て一瞬、メイは翡翠色の瞳を見開き、動きを停める。 そして、その一瞬が命取り。 動きが停まったメイの真横、大口を開けた巨狼がメイの喉笛を喰い千切るべく牙を輝かせ――
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