第一章

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――瞬間、銀光が閃き、メイへと迫る狼の首が宙を舞った。 続いて、首を無くした狼の胴から血が吹き出すよりも速く、銀色の光は弧を描き、地を這う様な一閃が放った衝撃波がその残された胴を引き裂いた。 その間、僅か二秒程。 そして、瞬く間に一頭の狼を殺したその銀の光が、月に照らされる剣の軌跡だとメイが理解したのは引き裂かれた胴が撒き散らした血が一滴、頬にかかってから。 (剣…撃!?) そして、メイは先程とはまた違う、驚愕の色を瞳に宿しながらも素早く立ち上がり、剣を構えた。
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