第一章

9/40
前へ
/61ページ
次へ
すると、メイと同じ様に、驚愕に動きを停めていた狼と砂竜が吼えた。 と、同時に、迫る狼の牙からメイを救ったその人物が姿を現す。 ――歳は二十代前後、赤みがかった茶髪と焦げ茶色の瞳。 ――しっかりとした体が纏う、腹部が大きく開いた真紅の鎧は細かい傷が多くあり、使い込まれているのは容易に想像出来る。 ――そして、その右手には淡い水色をした、一振りの剣。 土煙を左手で鬱陶しそうに払い、目を細めるその人物を、メイは知っていた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加