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階段を上り、トボトボと自分の教室に向って歩く俺。教室の前まで来ると、中からはガヤガヤと賑やかな話声が聞こえてくる。
俺が教室に入ると、先ほどまで賑やかだった教室が一変、皆俺を見ながらコソコソとした会話になり、完全に馬鹿にしているような、とても醜い笑みを浮かべ始める。
わざとなのかどうかはわからないが、いたるところから俺に対しての悪口が聞こえてくる。
まぁいいさ。いつものことだ。
俺はなぜかひっくり返されている自分の机へと向かう。
くだらねぇ~~。こんなことして何が楽しいのかねまったく。
すぐさま机を元に戻し、俺は腕を枕代わりにして眼を閉じた。寝ていれば、時が早く過ぎていく気がして楽だった。
「おい」
俺が腕の中に顔をうめてからすぐ、一人の男子の声が聞こえたと同時に、机ごと俺は吹っ飛ばされた。
痛みに顔を歪めながら見上げると、そこには3人の男子が、苛立った眼で俺を睨みつけていた。
何なんだよ。俺が何したってんだ。
「お前、なにすかしてんの?」
三人組みの真ん中にいる、背が高い茶髪の男子が俺に向って冷たく言葉を放つ。
あぁ~そう言うこと。俺がこのくだらないイタズラにあまりにも無反応だったから、ムカついて俺を蹴り飛ばしたってわけか。ちょっとまずいな。
「いや……そんなつもりは……」
俺が全て言い終わる前に、茶髪の男子は俺の胸倉を掴み、次は先ほどよりも少し強い口調で罵声を浴びせる。
「ってかさ。もうお前マジ学校くんなよ。見てるだけでイライラすんだよね」
どうする。何て言えばこの場を切り抜けられる? 俺は頭の細胞をフル動員して思考をめぐらす。
しかし、なかなか良いアイディアが浮かばない。
そんな黙りこくっている俺を見て、茶髪の男は胸倉を掴む力を一層強くした。
「シカトぶっこいてんじゃねぇぞコラ」
やばい。とりあえず何かしら言わないとやられる。
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