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「なんだよ、分かってるよそんなことさ」 今までなんとなくな人生で ある程度満足をしていた僕だった。 それが普通だと思ったし、 他人もそういう人生を送っていると思っていた。 それが仕事を辞めてから、 貪欲になったのか… それとも正常になったのかは分からないけれど "なんとなくな人生で終わるのは嫌だ" なんて、ちょっと自分でも恥ずかしくなるような、 すごくまっとうな事を思うようになった。 僕は考える。 でも今さら何をするというんだろう。 僕は結局、なあんにも出来ないんだろう? 歩き出そうとしても、足がすくむんだろう? 僕はカゴの正面に座り込んだ。 分かってるよ。なんて言いながら、 「僕と君はきっと一生変わらないんだよ」 そんなことを思った。 僕も君も、狭い世界で暮らしていくんだ。 そう思いと何故かホッとした。 その時、ふと、誰かが言った。 「なんか、だめだめですね」
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