ふたり

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「まあ見てみなよ。このセリフまわし」 「えぇーと、カゲキな不幸はコウフクにちがいないだろう?」 「だろう?」 「ちっとも意味が分かんないよ。こんなの昔の詩人に任しとけばいいじゃん」 「昔の詩人て。じゃあ俺は昔の詩人か?」 「トシは詩人って感じしないなぁ。どっちかといえば漫才師」 「漫才師かぁ。どうせなら落語家がいいなぁ」 「あっ、いいねぇ落語家。ヒモになっちゃうんだよね」 「ヒモ?」 「うん。落語の落ちで、女に甘い男の話。最後はヒモになっちゃうやつ」 「ふぅん」
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