【第Ⅰ章】

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[No Side]  大神の子供が造まれ五百年。  下界では、陰陽師という不思議な力を持つ者達がいた。  それは、天界を追放されし者達。  天界では、先代の大神が亡くなり、その子供が大神を引き継ぐ儀式の前日。  一人の神が、その部屋を訪れていた。  金の髪。華奢な体に意志の強そうな碧い瞳。外見的には十五、六歳ほどだろう。  彼女は守護の神・守神。  子供に一目で神と見抜かれても動じない、落ち着いた心を持つ。  じっと守神を見つめ、気が済んだのかにっと笑う。  黒い髪は腰ほどで、大きな瞳は蒼空を零したような蒼色。十二、三歳の姿をしているこの少年が、次期大神となる子供。
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