プロローグ

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  まぁ今年の四月から、なんだかんだあった魔王補佐な日々であったが、最近それは終わりを告げた。 結局のところ四月から何が変わったのだと問われれば、むやみやたらに人を殺すことはなくなり、人に見合った悪運を毎日届けるようになったという具合だ。 それ以外は、相変わらず魔王様は自由奔放に色々しまくるし、天然女はそれを尊敬の眼差しで見ながら手伝ってるし、おっさんは雑用に追われてるし、無口な少年は俺を罵倒しながら仕事に励んでいるしで。 なーんも景色は変わっちゃいなかった。 ま、それがいいと思い始めているんだけど。 時期としてはあれから色々経って、今は六月の後半。 魔城という架空の世界に夏は関係ないと思ったんだが、そこんとこは妙にリアルで、ダラダラとした日々が続いていた頃。 やっと来たとも言うべきか、もう来たのかと言うべきか。 俺個人としては「あー、そんなんいたねー」で終わりなんだが、とにもかくにも。 ――やつらはやってきた。
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