電脳魔術師

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携帯から目の眩む発光がほとばしり、秋姫の身体が光りに包まれる。 数瞬の光の後には、何故かポーズを決めている秋姫の姿があった。 招き猫ポーズで、片足を気持ち上げている。理由はその頭と腰にあった。 猫耳と尻尾が付いている。 茫然とする三人。 「どうにゃー! アガルタ制服にゃんこバージョン」 物質変換魔法。 見た目、魔法少女物の変身魔法のように見える。 だが、実はかなり高度な魔術理論を必要とする、極めて難易度の高い魔術だったりするのだが当人は気付いていない。 「どうだじゃねえー!!くだらねぇ魔術式組んでるんじゃねえ! 後、変な語尾つけるな!」 唸る秋継。 その後に怒り心頭で立つ影が近づく。 手には携帯が。 それに気付いて春雄の顔色が変わる。 「痴話喧嘩は後でやってくださる! スタン・ショックLEVEL1!!」 静電気がバチリと鳴るような音が響き、 「ぎゃっ!!」 と、悲鳴が続く。 びっくりする秋姫と、顔を手で押さえる春雄。 そして、床で身体を痺れさせて引き攣る“少女を見て”、しれっとした顔で見下す秋継。 「何やってんだアンタ? 言っとくけど俺の攻性防壁は、ネットもリアルもかなり硬いぜ?」
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