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「……?」
訝しがる秋継に携帯を見せる。
画面には子猫の画像が映っていた。
愛らしいアメリカンショートヘアである。
「分かった! トリさんはアー君の趣味じゃないんだね! ならこれだ! これに決めた!」
そう叫ぶと、秋姫は携帯のキーを押す。
画面に数式の羅列が並び立つ。
スペル・コードと呼ばれる呪文式だ。
正確には“高速呪文印字電子言語”と呼ばれる、この世界の魔術使用の基本運用言語である。
コード・エイジは呪文をプログラムとして走らせて使用するのが普通だ。
それをHRAP(高速読解詠唱術式)と呼ばれる、ネットワークから呼び出す方法か、CDAP(圧縮解凍詠唱術式)でスペル・コードを内蔵した端末機器から呼び出すのがスタンダードな運用法と言える。
だが、魔力で編んだスペル・コードは“容量を食う”。
低レベルに該当する魔術ですら、数テラバイトの容量を必要とするのだ。
その為、たいていは高速読解詠唱術式で、端末を使ってネットワーク上に構築した自分のアーカイブやスペルバンクからスペル・コードを呼び出す事になる。
すなわち、電脳空間に溜め込んだ魔術を任意に引き出し使用する。
それがコード・エイジの特筆すべきスキルなのである。
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