Χ1Χ

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    「……ハイ?」 いきなり何を言うのだこの男は。 てゆーか、いつの間に登ってきたんだ? 自分を見下ろしてくる男を思いっきり怪訝そうに睨んだ。 「お前は赤が似合うよ。」 「…さっき聞いたよ? てゆーかそれ嫌味?」 ガシガシと頭をかき、上半身を起こしながら、ぶっきらぼうに応える。 なんなんだろう。 人が珍しく感傷に浸っていたと言うのに。 「お前には“赤”が似合う。」 三度目の言葉。 「でも…」 頭を撫でられる。 「“血(アカ)”は似合わない。」 ―ヒョイ 「∑うわぁっ!?」 言われた言葉に一瞬呆けていると、いきなり肩に担がれた。 「えぇっ、ちょっあれ!? 何、この状態!!?」 一人パニクっていると、冷静な声が言った。 「風呂入るぞ。このままじゃ気持ち悪くてかなわねぇ。」 「風呂ぉ?ってどうやって入んのよ。隣街まで何kmあると思ってんの?」 「バーカ。ここの比較的綺麗で壊れてねぇの使うんだよ。」 どうせ、誰もいねぇし。 そう言って、葵はちゃっかりこの街でおそらく一番の豪邸の家に入って行った。 …いや、いいのか?オイ。 _
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