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エクソシストとは、本来“悪魔払い”をさす。
とは言っても、私たちは別に、“悪魔”を退治している訳ではない。
私たちが破壊するのは
“DOLL(ドール)”。
禁忌を犯した者達の
想いの残骸。
哀れな哀れな“操り人形”。
魂を喰らう――――兵器。
血ノカヨッタ兵器
アカイアカイ―――――兵器。
斬れば斬るほど赤く染まる。
進化をとげていない初期段階の姿は、まるで只のヒトのよう。
人を――殺しているかのよう。
他のモノは…苦しんでいるだろうか?
辛いのだろうか?
こんな…敵も味方も区別出来ない
戦争なんかに巻き込まれて。
だったら……
(だったらやっぱり……)
「見張りご苦労さん♪」
「おう。」
いいお湯でした。
ニコリと笑って言う。
葵はいつも通りの仏頂面で返事を返す。
二人とも何時もの団服を着て、
同じ十字架を胸に掲げる。
葵が風呂からあがれば、今度は寝床を探して、朝になれば電車に乗って、
そして本部へと戻る。
「早めにあがるから寝んなよ。」
「寝ませんよ。ガキじゃあるまいに。」
どうだか?
と嫌味ったらしく笑う葵に
ムカついたので、蹴りを一つお見舞いして。
そのまま見送った。
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