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〔ギャァァァァァァアア!!!!〕
耳を塞ぎたくなるような断末魔。
不愉快な機械音。
気分を外す死臭。
全てを照らすは…
…醜 ク 笑 ウ 赤 イ 月―――。
X1X.[闇 ニ 生 キ ル 者]
「葵ィ~。」
間延びした声が、嫌に良く通った。
「…なんだ。」
不機嫌を隠そうともせず、疑問符さえついてない冷たい返事が返ってくる。
…コイツは任務の後はホント不機嫌なんだから。
ジト目で見やって、葵を取りまくイライラオーラに嫌味に溜め息をついてやった。
「任務終わりましたけど~」
「…そうだな。」
「…?。次行かなくていいの?」
気味の悪い程赤い月へ伸ばしていた手越しに葵を見下ろす。
いつもならすぐに次から次へと引きずり回すのに。
「…今回はコレで終わりだとよ。」
飛び回るゴーレムを指先で遊ばせる。
「……そ。」
その姿を可愛いと思いながら、しかし口にはせず(言ったら確実に鉛弾が飛んで来る)、素っ気ない返事を返す。
視線はまたあの赤い、赤い月へ。
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