~出逢い~

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彼はきつく抱いていた腕を少し緩め、あたしを見つめる。 な…何… 回らない頭であたしも見つめ返していた。それから…次には彼の顔が近づいて来るのに気が付いた。 「──ちょ…ちょっと!」 押しやったが男の力には敵わず… ───んっ…! ……唇を奪われた。 …っ……息が…できない… 驚いたあたしは必死に抵抗する。 「──ゃ……やめてっ…!」 やっとのことで彼を突き飛ばし保健室から逃げ出した。 ──────…… ハァ…ハァ… 何なの…もうっ… あたしは思いっきり唇を擦り、 「初めてだったのに……」 走るのを止めトボトボと教室へと戻った。 *
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