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「辛い思いさせてごめん…
気づいてやれなくて、本当に悪かった…」
あたしの話を最後まで聞いていた慶の、抱いている手に力が籠もる。
「慶…あたし、昔のあたしとは違うの。強くなったの。それは慶がいてくれるからだよ?」
本当に慶のおかげなんだよ?
あたしは大丈夫だから…
「美憂…これからは何でも言って俺を頼ってくれ」
「うん………」
あたしがそう返事をすれば、
ゆっくりと近づく慶の顔。
月明かりに照らされ、優しく微笑む慶に愛おしさが込み上げ─…
いつの間にか、被っていた布団は滑り落ち、あたしの身体は晒されていた。
そして、
どちらかともなくお互いを求め…
あたし達はこの夜、
やっと、ひとつになった─…
*
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