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振り返れば、
追っかけの方々……
あたしを飛ばしたことすら、誰も気づいてはいなくて。
盛大な溜め息をつき、立ち上がろうとしたその時…
「あ…、大丈夫だった?」
頭の上から声がして、顔を上げると知らない男の子が立っていた。
「……平気」
「でも、顔モロいったよね…」
そう言いながら男の子は手を差し出す。
あたしは差し出されたその手を取ろうとして…
…………やめた。
周りの女の子達の視線が痛すぎて手を取ることが出来なかった。
「本当に、大丈夫だから。
気にしないで?じゃあ…」
あたしは、さっさとこの場から逃げたくて、学校まで早足で歩いた。
「えっ…ちょっ……、」
まだ何か言ってる。もう、これ以上目立ちたくないからほっといて欲しいんだけど。
*
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