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もうないかも…絶対誰か拾ってるよね…
そう思いながら階段を猛ダッシュで降りている途中─…
─…!あ、ぶつかる──
「「いっ(たぁ)て~。」」
……本日2度目。
気付くとあたしは男の子の上に乗っていた。
「っ…ごめんなさいっ!本当、すみませんっ…」
急いでそこからどき、顔をあげる…
「「朝の……っ!」」
──二人ハモった。
朝会った彼にまたしても醜態を晒したのだった…
「だ…大丈夫ですかっ?どこか…、怪我してないですか?」
こんな勢いよく階段でぶつかったのだから無事なはずない。
どうしよう…と、オロオロしていると彼は「大丈夫だよ。」と笑顔で言う。
「でもっ……」
「本当に、大丈夫だから。…それより、何か急いでたみたいだけど…」
その言葉で、「あっ…ケータイ!」と思い出し、急いでその場を去ろうとした。
「待って!」と彼。
振り向くと、
「これ…君の?」
と、紛れもない、あたしのケータイを差し出してきた。
*
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