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「どうしてここに?」
「お前の後を付けたんだよ。こんな所で何をしている」
文次郎が尋ねた。
「彼は悪くないよ。私が彼を脅しただけなんだ」
「雑渡さん!?」
「どういうことだよ?」
留三郎が聞いた。
「私の怪我を治さないと忍術学園を襲うぞってね」
「本当かっ。伊作!?」
仙蔵が声をあらげて聞いた。
雑渡が伊作を庇っているのがわかった。
「もう治療も済んだから彼は用済みだよ」
そう言って雑渡が立ち上がった。
三人は構えた。
「待ってよ、みんなっ」
「彼は優しすぎる。その優しさは命取りだよ。いつか私だけではなく他の連中も彼を奪いに来るかもね。まぁ、私が先だろうけどね」
そう言い、雑渡は一瞬で消えてしまった。
「ちっ。逃がしたか」
「伊作を奪うだと!?そんな事誰がさせるかっ」
留三郎は怒りを表にしていた。
仙蔵が伊作の両肩に手を置いた。
「アイツとはもう関わるなよ。伊作」
「仙蔵…………………」
「あんな奴に好かれおって………。お前はそうとう不運だな」
文次郎がため息混じりに言った。
伊作はボソッとそんなことないよと聞こえないように言った。
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