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翌日。
「なんで……………みんな一緒に寝てるんだよー!」
狭い部屋に六人も一緒に寝ていたようだ。
「聞いたぞー。伊作を狙っている奴がいるって」
小平太や長次も伊作の事を聞いて心配になって部屋に来たようだ。
「大丈夫だよ。そんな事ないと思うから」
「お前の大丈夫は当てにならん」
きっぱりと文次郎が答えた。
「当分の間私達がお前を守ってやるよ。有り難く思え」
仙蔵が誇らしく言った。
「伊作を守るのは俺一人で十分だ!お前ら帰れ!!」
留三郎が怒鳴ったが誰も帰ろうとはしなかった。
「お前なんかじゃ伊作を守れるわけないだろう」
「なんだと?」
「ちょ、ちょっと。留三郎も文次郎も喧嘩しないでよ」
とうとう殴り合いになった。
「おっ。喧嘩か?私も混ぜろー」
いけいけどんどーんと言って小平太が喧嘩に乱入した。
「やめてよ!みんなー」
「伊作………諦めろ」
仙蔵が哀れむように言った。
こんな事なら雑渡の所に行った方がマシな気がした伊作だった。
~完~
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