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それは僕が小学6年生の時だった。
昔から人と遊ぶというのが嫌で、みんなからは仲間外れ。
それでいいと思ってた。
いつものように休み時間は教室の窓から生徒が遊んでいるのをただ眺めていた。
『ん?』
僕は何か変な感じがして、その原因を探した。
すると、一番奥で野球をしているその中の一人。ちょうど1塁にいる僕より年下の男の子。
体が透けている。
しかし、幽霊などではない。確かに笑ってみんなと野球をしている。
でも明らかにおかしい。
だが、こんな話をする相手もいなかったから僕は黙って一人で悩んでいた。
すると、呼び掛ける声。
『叶(かな)!』
幼なじみの結城(ゆうき)だ。
僕が叶っていう女の子みたいな名前だからっていつもバカにする。
でも、僕と話してくれるのは結城くらいだ。
『なにぼーっとしてるの?』
結城が僕の目を見て言う。
どうせ信じてくれないが、今みたことを話すことにした。
ちょうど話しおわったくらいにチャイムがなった。
次の授業は口うるさい先生の授業だったからやはり適当に流されてしまった。
しかし、その2日後。僕達に夢ではないかと思うほどの知らせが届く。
体が透けていた少年は二度と学校で野球をすることはなくなってしまった。
それ以来。僕には2日後に死ぬ人が透けて見えるようになっていた。
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