嘘日記1

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僕は絶望した。 僕は一生寒い朝と戦い続けなければならない。 そんな酷い話ってあるか。 そんな戦いに意味なんてあるのか。 例え僕がこの先一生今までどおり寒い朝と戦い、勝ち、学校や職場に行くとしよう。 だが、それでどうなる?それがどうした? 僕はもとより、行きたくもない学校に行っているのだから、寒い朝との戦いに勝って、学校へ行ったとしても、僕には何一つ精神的メリットがない。 むしろ寒い朝はおとなしく布団に包まり、日が出て多少暖かくなるまで眠っていたほうが、僕はよっぽど幸せなのだ。 これを人は堕落と呼ぶのか?怠惰と貶すのか? これは幸せと言うのではないのか? 今までもこれからも、人間は自らの生活をよりよく楽にしていくために、様々なものを作り出していってるじゃないか。 寒い朝の早起きは皆だって嫌いだろう? なのに何故、早起きを皆続けられるんだ? 何故それは楽をしようとしない? 何故、何故、こんなにも怠惰と堕落にあふれた世界に身を投じながら、何故今更、自分を律するなどという意味不明なことをほざきだすのだ? 「何故・・・・」 僕は呟いていた。
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